スプリント治療の実際

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あごの関節で様々な症状ある場合、また症状が過去にしばらくの期間に渡ってあった場合、関節内部の関節円板という部分が本来の位置より前方や内側にずれてしまっていることが多くの方で認められます。関節円板がずれていると本来のあごの動きが制限されて日常生活に支障があるのと同時に、かみ合わせが変化してしまうことがあります。

当院ではこうした患者さんには矯正治療前に患者さんに合わせて製作したスプリントをしばらく使用していただき、あごの関節内部の安定化を図った後に診断し、矯正治療の計画を立案するようにしています。

顎関節症の症状

●あごを動かすと関節で「カクンカクン」「ジャリジャリ」などの音がする。

●口を開ける時、閉じる時に関節に痛みがある。

●以前より口を開けづらくなった。開けられる量が減った。

●かみ合わせに違和感がある。どこで咬んで良いのかわからない。

●以前と比べてかみ合わせが悪くなってきている。前歯がかみ合っていない。

●頭痛、首痛、肩こりがある。目が疲れやすい。 

           など

関節円板のずれとは?

口を閉じている時、あごの関節の内部では下顎の骨と頭蓋骨の間に「関節円板」と呼ばれる円盤状のクッションのようなものが存在しています。口を開ける時、通常は下顎の骨が前方に動くのと連動して関節円板も前方に移動してスムーズなあごの動きを実現しているのですが、関節円板が緩んでしまって口を閉じている時から円板が前方や側方へずれ落ちていることがあります。
こうした場合、口を開ける時、下顎の骨が前方に移動するのを邪魔して口が通常より開けられなくなったり、下顎の骨がずれた関節円板の下にもぐり込む時にひっかかりを感じたり、音が鳴ったりするのです。

これまで歯科や口腔外科などでは顎関節症の治療として様々な方法が試みられてきましたが、現在最も広く行われている方法が「スプリント療法」です。
「スプリント」は患者さん個々の歯型を採って、オーダーメイドで制作したプラスティック製のマウスピースのようなもので、通常月に1度来院いただき調整をしていきます。スプリントの使用によって咬む力をすべての歯で均等に負担して顎関節に強く偏った力がかかるのを防ぐことで、徐々に関節内部の構造が安定化していき、同時に下顎の位置も安定していきます。
当院では顎関節症の患者では関節の安定化を図った後に矯正治療の治療計画を立てています。
最後に治療例がありますのでご参照ください。

顎関節症は症状がだんだんと消失していく軽症のものから、日常生活に支障をきたす重症のものまでありますが、重症の場合でも時間さえ経てばだんだんと痛みや関節の音は軽減して行くのが一般的です。
しかし、症状がなくなっても重症の場合では関節の内部の構造が大きく変化して、かみ合わせ自体が大きく変化する場合も多く見られるため、できるだけ早期に、軽症のうちに「スプリント」を使用して重症化させないようにするのが大切です。重症の場合でも「スプリント」を使用することで関節内部が安定化して、その後の矯正治療を行う上で有利になります。

矯正治療に係る費用は自費となっております。詳しくは「料金表」をご覧下さい。当院では治療に係る費用は治療前に見積もりでお示ししておりますので安心して治療を始めることができます。個別のご事情にあわせて分割、銀行ローンなどでのお支払いにも応じさせていただいておりますので一度ご相談下さい。

関節円板のずれとは?

関節円板は下顎骨の先端の部分(下顎頭)とその受け皿となる頭蓋骨のくぼみ(下顎窩)のあいだにあるコラーゲン線維でできた円盤状の塊です。口腔の機能である会話や咀嚼を行う時、下顎骨は下顎頭の部分を中心に回転し、しかも前方へ移動することで口を大きく開くだけでなく、前後へあるいは横へずらしたりできます。関節円板はこの複雑な動きを可能にするため、頭蓋骨と下顎骨のあいだにあってクッションの役目をして、骨に負担がかからないようにしてスムースな動きを支えています。
しかし近年、矯正歯科を受診される多くの方でこの円板が本来の位置からずれている場合が認められ、関節の動きを妨げて「口が開けにくい」「口を開けると音がする、痛みがする」などの症状を起こします。また、関節円板がずれて関節に過度の負担がかかっていると関節の骨が吸収して平坦になったり、凸凹になっている人も見られます。また、最近では小児でも顎関節の症状を抱えている場合あります。

スプリント治療とは?

こうした方々には矯正治療で歯を動かす前にスプリントという装置を使用していただき、顎関節の安定化を図る必要があります。口腔の機能は下顎の動きで営まれており、その中心は顎関節です。この部分が安定していないと矯正治療前なら本来の咬み合わせの位置を見誤り治療計画を正しく立案できなかったり、矯正治療後ではせっかく整った咬み合わせが不安定になったり、後戻りがおきやすくなるなどの問題があります。そうした事を防ぐために顎関節の安定化は矯正治療を行う上でとても大切です。
成人では長年に渡り身に付いた咬み合わせによってダメージをうけた顎関節を安定化するためのスプリント治療は約6ヶ月〜1年程度の期間が必要な場合があります。実際の治療では咬んだ時に顎関節に負担がかからないよう調整されたスプリントを口腔内に装着して日常生活を過ごしていただきます。顎関節が安定してくると咬み合わせが徐々に変化してくる事が目に見える形でわかります。スプリントそれ自体には歯を動かす作用はないので、この変化は歯の移動によるものではなく、顎関節部の変化によるものです。また同時に口腔周囲の筋肉の緊張が解消されて顔貌の変化や頭痛や肩こりなどの筋肉の過緊張が原因の症状が緩和されることがあります。小児ではスプリント治療によって顎関節が保護されるので正しい下顎の発達、成長を促す事ができ、その後の矯正治療に大変有利な治療効果が得られます。
来院ごとの調整量がわずかになり、患者自身の顎関節症状が軽快し、その他の画像検査などで関節が安定したと判断されれば歯を動かす矯正治療を始めることになります。

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スプリント治療例 19歳男性

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