- 顎が不安定な状態で診断をすると治療方針を誤る可能性がある
- 矯正治療後も顎関節が不安定だと後戻りの原因となる
- 小児の場合はこの時期から顎関節を保護することで正しい顎骨の成長を促せる
私が矯正治療を行う際、注目する点が「顎関節」の状態です。言うまでもなく会話や咀嚼といった口腔の機能は下顎が顎関節を支点として動くことによって営まれています。
しかし、顎関節で何ら自覚症状のない成人の場合でも30~40%の人で顎関節内の関節円板(骨と骨の間でクッションとなるもの)がズレていることがわかっています。また、既に関節の違和感、痛みや音などいわゆる顎関節症の症状があった人、あるいは現在そのような症状のある人ではほとんどの人で顎関節内に円板のズレが見つかっています。
近年では小児においても早期からこのような顎関節内のズレをかかえた子が少なからずいることがわかってきています。小児の時期からこのように顎関節に問題があると将来の顎骨の望ましい成長に影響がでるだけでなく、かみ合わせに悪影響がでることも予想されます。
このような人たちの矯正治療ではまず、歯を動かすということはせず、顎関節の安定化を図ることから治療を始めることも多いのです。この手順をおろそかにすると例え、どんなに矯正治療で歯をきれいに並べたり、かみ合わせが良くなっても治療後なかなか安定することはなく、治療後まもなく後戻りが始まったり、かみ合わせがずれてきたりすることがあるのです。
このようなことから当院ではすべての症例で初診時の検査から顎関節の状態を正確に把握し、治療方針に反映させています。
当院は矯正治療を専門に行う医院ですので様々な歯並びやかみ合わせのご相談にお答えすることができます。また、顎関節に症状のある方でも矯正治療を受けていただけるよう経験を積んでいますので、安心して治療を受けていただけると思います。
近年、矯正治療は決して特別な治療ではありません。年齢に関わらず矯正治療は始めることができます。